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遺品整理比較

遺品整理ガイド

遺品整理業者の「許可」の見方——一般廃棄物収集運搬業許可とは

ご家族を見送られたあとの遺品整理では、どうしても「処分するもの」が出ます。 その処分品を廃棄物として運べるのは、法律上、市町村長の許可を受けた(または市町村から委託を受けた)業者だけです。 このページでは、廃棄物処理法の原文と環境省・国民生活センター・自治体の公表情報という一次情報のみで、 この「許可」の仕組みと確認のしかたを整理しました(確認日: 2026年8月12日)。 不安をあおるためではなく、落ち着いて確認できるように、事実だけを順番に書いています。

家庭の遺品は「一般廃棄物」——法律の原文

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法・昭和45年法律第137号)は、 第2条第2項で「『一般廃棄物』とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう」と定めています。 家庭から出る遺品を廃棄する場合、それは事業活動から出る産業廃棄物ではなく、一般廃棄物にあたります。 そして、その収集・運搬を業として行うことについて、第7条第1項は次のように定めています。

「一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。」——廃棄物処理法 第7条第1項(e-Gov法令検索で現行条文を確認・2026年8月12日)。処分業についても第7条第6項が同様に市町村長の許可を求めています。

ポイントは、この許可が都道府県ではなく市町村単位だということです。 環境省の「使用済製品のリユースの促進に係る検討会」(令和6年12月10日開催・第2回)の議事要旨でも、 「一般廃棄物収集運搬業で、遺品整理に限定して許可を出している自治体もでている」という発言が記録されており、 遺品整理と一般廃棄物許可の関わりは国の検討の場でも扱われています。

環境省の公式見解——産廃許可・古物商許可では家庭ごみは運べない

「産業廃棄物の許可を持っています」「古物商の許可番号があります」という説明を根拠に家庭ごみを回収する業者がいますが、 環境省はQ&Aページ「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」で、次のとおり明確に否定しています。

「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません。」 「産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。」——環境省Q&Aページ(2026年8月12日確認)

遺品についても、環境省はパブリックコメントへの回答(特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する基本方針(案)に対する考え方)の中で、 「遺品が一般廃棄物に該当する場合は、当該遺品の収集運搬を行う事業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を受ける必要があります」と公式に示しています。 また北九州市も「産業廃棄物収集運搬業の許可では、家庭のごみ(不用品)の回収はできません」「古物商の許可番号では、家庭のごみ(不用品)の回収はできません」と注意喚起しています(更新日2026年2月18日)。

無許可営業の罰則と、依頼者側のリスク

無許可での一般廃棄物収集運搬業(第7条第1項・第6項違反)には、廃棄物処理法第25条第1項第1号により「五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」という罰則が定められています (現行条文の原文・2026年8月12日確認)。 刑法改正により現行法の表記は「拘禁刑」ですが、自治体ページの多くは旧表記の「懲役」のままです(意味する重さは同水準の刑です)。

さらに知っておきたいのは、依頼した側にもリスクがあり得ると明記する自治体があることです。山口市は次のように注意喚起しています。

「清掃・片付け・遺品整理を依頼した場合でも、それに伴うごみは依頼者のごみとなりますので、許可を受けていない者にごみの運搬を依頼してはいけません」 「無償であっても(中略)第25条により刑事罰が科されることがあります」——山口市「許可を受けていない者にごみの収集運搬を依頼してはいけません」(更新日2025年2月14日・当サイト確認2026年8月12日)

国民生活センターも2025年10月30日公表の見守り情報で、 「遺品や住まいの不用品を廃棄物として収集・運搬する事業者は、市町村からの委託業者であるか、市町村長から『一般廃棄物処理業の許可』を受けている必要があります。無許可事業者による不用品の処分は法律違反となり、不法投棄などに繋がりかねません」と呼びかけています。 大切な方の遺品が不法投棄されるという事態を避けるためにも、運搬体制の確認には意味があります。

「公式サイトに許可の記載がない」は違法の証拠ではありません

当サイトが2026年8月10日に主要4社(みんなの遺品整理・遺品整理プログレス・リリーフ・遺品の整理屋さん)の公式サイトを実査したところ、一般廃棄物収集運搬業許可を番号付きで公式サイトに掲載している社はゼロでした(古物商・産業廃棄物許可の番号を公開している社はあります)。

ただし、これは「4社が違法」という意味ではありません。一般廃棄物収集運搬業許可は市町村単位の許可で新規取得が難しく、許可を持つ地元業者との提携や、市町村の委託業者・許可業者への引き渡しという形で適法に対応する方法もあるとされています。 横浜市も、遺品整理業者自身が許可を持たない場合には「許可業者と排出者(依頼者)が直接契約する」方法を案内しています(手続きの委任は可・最終更新2024年9月27日)。 つまり「記載がない=黒」ではなく、「公式サイトだけでは白黒が確認しきれないからこそ、見積時に確認する価値がある」というのが、実査を踏まえた当サイトの整理です。

許可の確認手順(見積もりの場でできること)

  1. 手順1: 運搬体制を言葉で確認する—— 「処分品の収集運搬は、①自社の一般廃棄物収集運搬業許可、②許可業者との提携、③市町村(委託業者・許可業者)への引き渡し、のどれですか」と尋ねます。 この質問に明確に答えられない業者、産廃許可や古物商許可を根拠に「回収できます」と答える業者は避けてください(環境省が明確に否定している説明です)。
  2. 手順2: 許可番号と許可を出した市町村名を聞く—— 自社許可・提携先の許可で対応するという場合は、許可番号と、どの市町村の許可かを確認します。 一般廃棄物の許可は市町村単位のため、作業場所の市町村の許可(または委託)であることが大切です。
  3. 手順3: 迷ったら市区町村に問い合わせる—— 作業場所の市区町村(廃棄物・ごみ担当課)に、その業者が一般廃棄物収集運搬業の許可業者かどうかを問い合わせる方法があります。 横浜市のように「遺品整理業者が許可を持っているか必ず確認する」ことを公式に案内している自治体もあります。

あわせて、見積書の内訳や追加料金条件のチェックは悪徳業者を避ける3つのチェック、 実際のトラブル事例と見分け方は悪質業者トラブルと見分け方をご覧ください。

よくある質問

遺品整理で出た家庭のごみは、どんな業者なら運んでもらえますか?

家庭から出る遺品(一般廃棄物)を廃棄物として収集・運搬できるのは、市町村長から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者、または市町村から委託を受けた業者です。廃棄物処理法第7条第1項が「一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は…市町村長の許可を受けなければならない」と定めており、国民生活センターも2025年10月30日公表の見守り情報で「市町村からの委託業者であるか、市町村長から『一般廃棄物処理業の許可』を受けている必要があります」と注意喚起しています。

産業廃棄物収集運搬業の許可や古物商許可があれば、家庭ごみも回収できますか?

できません。環境省はQ&Aページで「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です。『産業廃棄物処理業の許可』や『古物商の許可』では回収できません」と明記しています(2026年8月12日確認)。産業廃棄物処理業許可は工場や企業の廃棄物のための許可、古物商許可は中古品等の売買のための許可であり、家庭ごみの回収の根拠にはなりません。

無許可の業者にごみの運搬を頼むと、依頼した側も違法になりますか?

依頼者側も刑事罰の対象になり得ると明記する自治体があります。山口市は「清掃・片付け・遺品整理を依頼した場合でも、それに伴うごみは依頼者のごみとなりますので、許可を受けていない者にごみの運搬を依頼してはいけません」とし、「無償であっても(中略)第25条により刑事罰が科されることがあります」と注意喚起しています(更新日2025年2月14日・当サイト確認2026年8月12日)。「業者が勝手にやったこと」では済まない可能性がある、という点は知っておく価値があります。

公式サイトに一般廃棄物収集運搬業許可の記載がない業者は、違法な業者なのですか?

記載がない=違法とは限りません。実際、当サイトが2026年8月10日に実査した主要4社の中で、一般廃棄物収集運搬業許可を番号付きで公式サイトに掲載している社はゼロでしたが、この許可は市町村単位の許可で新規取得が難しく、許可を持つ地元業者との提携や、市町村の委託・許可業者への引き渡しという形で適法に対応する方法もあるとされています(横浜市も、業者が許可を持たない場合は許可業者と排出者が直接契約する方法を案内しています)。だからこそ「公式サイトに書いていないから黒」ではなく、見積もりの場で処分品の運搬体制を確認することをおすすめします。

業者が許可を持っているかどうかは、どうやって確認すればいいですか?

確認の入口は2つです。(1)業者に「処分品の収集運搬は、自社の一般廃棄物収集運搬業許可か、許可業者との提携か、市町村への直接引き渡しか」を尋ね、許可で対応する場合は許可番号と許可を受けた市町村名を聞く。(2)作業場所の市区町村(廃棄物担当課)に、その業者が一般廃棄物収集運搬業の許可業者かどうかを問い合わせる。横浜市は「遺品整理業者が一般廃棄物の収集運搬の許可を持っているか必ず確認する」ことを案内しており、明確に答えられない業者は避けるのが安全です。

関連ページ

出典(すべて2026年8月12日に当サイトが原文を確認)

本ページは一般的な法制度の説明であり、個別事案の法的助言ではありません。実際の許可の要否・手続きは作業場所の市区町村にご確認ください。 主要4社の許認可の公式記載状況(2026年8月10日実査)は業者比較に掲載しています。